東濃シンクタンクThinkTank

岐阜県東濃地方の明日を考える東濃シンクタンク | 多治見市・土岐市・瑞浪市・恵那市・中津川市の政治・経済

【岐阜県知事選】古田岐阜県知事の公約(マニフェスト)は国の政策・計画にそっくりでは?

2021年1月7日に岐阜県知事選挙が告示されました。
各候補者の公約(マニフェスト)も出揃ってきました。

古田岐阜県知事の公約(マニフェスト)は国の政策・計画にそっくりでは?

江崎さんの公約

1 江崎禎英さんの公約

元官僚だった、江崎禎英さんは、「人生100年時代の幸せのかたち」を作るとし、子育て支援や医療・介護の充実、安定した経済の実現を公約としています。

esaki-yoshihide.com

全国の政治家にマニフェストの共通フォーマットを提案し、わかりやすく見やすい形で政策を公開・利活用(オープンデータ化)するプロジェクト「マニフェストスイッチプロジェクト」で江崎さんのデータを拝見すると、社会保障と教育・子育てに重点を置いていることがグラフから分かります。
高齢者が多い岐阜県で、100年時代を見据え長期計画を立て、モデルを作ることは大切です。また少子化で共働き夫婦が多い昨今、教育や子育てに比重を置くことは未来への投資でもあります。
もっとも、いずれの公約も数字や時期が示されておらず、理想論のように見えなくもありません。一度県職をやってこられたからこそ見えた岐阜県の足りないところを具体的に明示してもらえると良かったです。
三重県知事:北川正恭さんも「夢や岐阜の改めるべきことを大いに盛り込んでいる。だが、具体策や財源、期限がない。書きにくいものだが、思い切って入れるべきだ。」と語っています。

参照:江崎 よしひでさんのマニフェストスイッチ

2 いながき 豊子さんの公約

元教師だった、いながき豊子さんは、「国にもの言えぬ岐阜県政を県民が主人公の岐阜県政に転換」すべきときとし、不要不急な公共事業を見直し、税金を暮らしや福祉・教育・文化・芸術のために使うことを公約としています。

gifu-shujinko.jimdosite.com

いながきさんのマニフェストスイッチを拝見すると、社会保障や教育・子育てに重点を置いていて、その点では江崎さんに近しいように思えます。

いながき豊子さんの公約で特徴的なのは、「不要なダム建設、河口堰開門、リニア中止」、原発ゼロをめざし核兵器廃絶をすすめている点です。
しかしながら、多くのダムは近年多発する集中豪雨等の災害から守る防災の観点からも必要です。原発核兵器は県政とは全く関係がありません。 

参照:いながき豊子さんのマニフェストスイッチ

3 古田肇さんの公約

それでは、現職:古田肇さんの公約を見ていきましょう。
「生命を守る。新しい日常を創る。」とし、コロナ対策に全力を傾ける、と言っておられるのが古田さんです。
しかし、1ヶ月前までは、岐阜県内中を選挙の推薦状をもらうために奔走しておられたはずです。
他県同様、コロナウイルスの感染拡大には歯止めをかけられていません。

古田さんのマニフェストスイッチを拝見すると、すべての分野が均等になっていて、財源を集中して投じるべき分野が限定されていません。
災害やコロナから県民を守るのは当然として、「新しい日常を創る」として挙げられているのは、プログラミング教育や5G,、SDGs、生涯現役社会など、国が進めている政策・計画そのものです。
特に岐阜県でやろうとしているものは、「岐阜県発でユニコーン企業を創る」しか見当たりませんでした。

北川正恭さんは「どのように岐阜にささげるのかが読み取れない。具体策や実現の方法が入れば良かった。」と語っています。 

ちなみに、NHK選挙webで現職:古田知事への評価を、江崎さんは50点、稲垣さんは20点と採点し、特に経済・雇用政策では江崎さんは「全く評価しない」、としています。

江崎さんは「コロナ対策については、県民に自粛を求めるのみで、経済的困難によって失われる命を効果的に守れていません。経済については、就任時から県内総生産・現金給与総額とも伸びておらず、ほぼゼロ成長です。教育・子育てや人口減少対策、障がい者施策についても様々な政策を講じていますが、教育の質は向上しておらず、人口減少や介護人材の不足にも歯止めがかかっていません。他方、観光振興と医師数の増加は、一定の評価ができます。」
いながきさんは「県独自の積極的なコロナ対策に欠けています。後手後手の、自己責任を押し付ける政府の言いなりではだめ。ハコモノ、大型公共事業中心でなく、教育・医療・福祉の充実を優先すべき。保健所や病院の統廃合には反対すべきです。豪華すぎる県庁舎を見直すべき。ジェンダー平等の視点に欠けています。「日米地位協定見直し」は良い。」としています。
NHK選挙webより

今回の岐阜県知事選挙では多選の是非も問われています。

問われる多選の是非 岐阜県知事選
大野泰正参院議員は「今の県庁幹部が課長になる前から今の知事がいる。これで、ものなんか言える訳ない」と力説した。トップの多選ゆえに県庁内の風通しが悪くなっているとの訴えだ。
東北大大学院の河村和徳准教授(政治学)は多選の弊害を「政策が硬直化し、職員が首長の意向を忖度(そんたく)するようになる」と説明。一般的に三期十二年を超えると、初当選のころに気を使っていた幹部職員やベテラン議員も少なくなると指摘し「独善的になる首長も出てくる」と話す。
中日新聞より

tonothinktank.hatenablog.com